30/04/2026
【サドル長35cmを超える車両は、認定試験を受け付けない?】
電動アシスト自転車のタンデム制度を追う ― 長尺サドル問題で見えてきたこと ―
弊社は以前に、兵庫県における自転車のタンデム走行制度について調査し、警察庁および兵庫県警察から正式回答をいただいたことがあります。
その際に確認できた重要な点は、道路交通法第57条第2項により、軽車両の乗車人員は各都道府県公安委員会規則で定められているということでした。
つまり、自転車のタンデム走行制度は全国一律ではなく、各地域の交通事情に応じて定められている制度であるということです。
兵庫県では、一定の条件のもと、
運転者以外の者の用に供する一の乗車装置を備える自転車
について、後席者の乗車が認められる規定があります。
しかも、その規定には「第二ペダル必須」といった文言はありません。
弊社はこの制度に着目し、令和4年には、タンデム仕様電動アシスト自転車における二人目の乗車装置について、具体的な車両構造を示しながら、警察庁および兵庫県警へ確認を行いました。
そして今回、新たな壁にぶつかりました
今回、駆動補助機付自転車(電動アシスト自転車)の型式認定について確認を進める中で、公益財団法人 日本交通管理技術協会(管技協)より、次の回答をいただきました。
サドル座面が35cmを超えるものについては、型式申請時に35cmを超えないようお願いしている
根拠は、警察庁作成の「普通自転車の型式認定基準」である
現在運用中であり、今後も同様に実施する
それ以降の制度的質問は警察庁関連事項となるため、管技協からは回答できない
この回答により、少なくとも今回の問題は、管技協独自の判断ではなく、警察庁基準に基づく運用であることが明確になりました。
ここで生じる疑問
今回受付が事実上難しいとされたのは、普通自転車ではなく、駆動補助機付自転車です。
しかし、示された根拠は「普通自転車の型式認定基準」にあるサドル35cm基準でした。
ここで疑問が生じます。
1. 普通自転車基準は、駆動補助機付自転車にも当然に適用されるのか
電動アシスト車両には、従来の一般自転車とは異なる設計思想があります。
構造や用途も進化しています。
その中で、旧来の普通自転車基準がどのような法的整理のもと適用されているのかは、確認されるべき論点です。
2. タンデム制度は都道府県規則事項なのに、なぜ全国一律の寸法基準なのか
兵庫県のように、乗車装置を前提としてタンデム走行制度を設けている地域があります。
であるならば、全国一律にサドル座面長のみで可能性を閉ざすことと、道路交通法第57条第2項の制度設計は、どのように整合するのでしょうか。
3. サドル長は本当に安全性そのものなのか
現在の車両には、
サドル上下調整を持たない車両
前後着座位置で体格調整する車両
小径車・特殊フレーム車両
電動アシスト前提の新しい設計
も存在します。
長さだけで安全性を判断する時代なのかどうか、再検討の余地があるように思えます。
今後の対応
今回、管技協から誠実な回答をいただいたことで、論点ははっきりしました。
争点は、現場の窓口対応ではなく、警察庁基準そのものです。
そのため、令和4年に本件をご対応いただいた担当議員を通じて、警察庁へ正式な照会をお願いする方向で進めています。